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Archive for 2008年6月

富士フィルム FinePix F100fd ②

2008年6月30日 コメントを残す
 まず外観だが、いまどきのコンデジとしてはさほど小さいほうではない。写真は手持ちのパナFX01と並べてみたものだが、比べてみると左手のFX01よりひと回り大きいのがわかるだろう。とはいえカメラというものはあまり小さすぎてもかえってホールドしにくくなるので、これくらいでちょうどいいかもしれないが、但しこのデザインはお世辞にもスタイリッシュとはいえない。どちらかというと無骨というかシンプルであり、正直もう少しかっこよかったらなあと思わないでもない。

 さて肝心な画質はどうだろう。とりあえず購入後数十枚撮影をしてみたが、FX01に比べればあきらかに写真としての出来が違う。発売時期が2年違うので比べるのは酷というものだが、それにしてもF100fdからFX01にはもう戻れないと感じた。
 
 最も違うのはやはり室内などやや暗い場所での撮影だ。FX01はフラッシュの当たる場所だけ白く写り、背景など周りは薄暗くしかもノイズだらけの写真になりがちなのに対し、F100fdはフラッシュは光っても不自然に白くなりにくく、背景もかなり明るく見たとおりの雰囲気を再現してくれる。これはF100fdの場合オート撮影でもISOが可変し、暗い場所では自動的にISOが上がるためであるが、しかしISO800くらいでもノイズはほとんど気にならないレベルである夜の飲食店の店内などでは1600まで上がり、さすがにこの場合多少ざらつき感はあるが、それでも雰囲気はよく再現できている。フラッシュなしでもかなりいける感じだ。「フジは高感度」とはよく聞いていたが、確かにそのとおりである。
 
 それと、本機は有効画素数1200万画素とのことで、文句のない高解像度を実現している。あまりシャープネスを強調しない絵造りであり一見あっさりした印象を受けるものの、PCモニタ上で等倍で見るときちんと細部に亘って記録できていることがわかる。高解像=高画質ではないが、解像度が高いということは大きく印刷する場合やトリミングなどする際も便利であることは確かだ。
 
 注目の顔認識機能は、普通の顔なら認識も早いものの、子供、前髪の長い髪型の人、眼鏡をかけた人などを認識するのは苦手な場合もあるようだ。まあ多くの場合はちゃんと認識するので実用上は問題ないだろう。ただシャッターを押しただけでも顔さえ認識していればピントが合うのはたいへん便利だ。
 
 まだ使い始めたばかりだが、本機は少なくとも2年前のFX01よりも比べるまでもなく高性能であり、買って損のない機種と思われる。ただこれが最近のコンデジ全般にいえることなのか、F100fdが突出して高画質なのかは他機種を検証していないのでわからないが、友人が持っていたパナのFX35を少し触らせてもらったところ、こちらもなかなか悪くなかったことは言っておこう、もちろんF100fdの勝ちだが。もし手持ちのデジカメが2年以上前の機種で、画質に不満があるのなら、思い切って最新機種に買い換えしてみることをお勧めする。今撮れる写真は今しか撮れないのだから。
 
  
カテゴリー:デジカメ

富士フィルム FinePix F100fd ①

2008年6月22日 コメントを残す
 現在使用しているデジカメPanasonic LUMIX FX01(過去記事2006年8月参照)は実は5台目のデジカメである。購入してからまだ2年も経っていないが、歴代のデジカメで撮影した写真を見ていてふと思うのだが、最近の写真になるほど画素数は上がっていても、だからといって写真として出来がいいかというとむしろ逆だったりするスナップが多い気がするのだ。特にFX01の場合、購入当時のレポートにも書いているが暗部のノイズは酷い。室内など少し暗い場所の写真は見るに耐えないものも少なくない。
 
 つまりデジカメは画素数だけ上がっても、それできれいな写真が撮れるわけではないということだ。最近のデジカメは特に、小さなCCDを無理やり高画素化させてしまったせいで、1画素あたりの受光量が減りダイナミックレンジが落ちてしまったことで、明るい場所は問題なくても室内とかちょっと暗い場所になると画質の劣化が著しい。ありがちな例では、カメラの設定をオートにしておくと、室内撮りでは部屋はそれほど暗く感じないのにフラッシュが光り、人の顔にフラッシュがあたり白とびを起こすが、背景にまではフラッシュの光が届かずノイズだらけ、といった写真になりがちである。技術的なことはここでは触れないが、高画素=高画質ではないということは知っておいたほうがいいだろう。
 
 それでは最近のデジカメで室内撮りに強い機種はないのだろうか。実はこの問題を解決してくれそうなコンデジがある。それが富士フィルムのFinePix F100fdである。エビちゃんのCMで記憶している人も多いかもしれないが、実は富士フィルムのデジカメはこのキャスティングにまったくそぐわない硬派なデジカメであることはあまり知られていない。
 
 もともと富士フィルムは早い時期からデジカメ事業に参入しており、カメラメーカーである強みもあり良質なデジカメを生産してきたが、ある時期記録メディアにxDピクチャーカードを採用したことで一気にシェアを落としてしまった。なにしろxDピクチャーカードを採用していたのは富士とオリンパスのみであり、値段も高く他に使いまわしもできないということで、特にライトユーザーからは完全に見放されてしまった。現在はSDカードも利用できるのでこの問題は解決済みであるが、残念ながら販売シェアはキャノン、パナ、ソニーの3強に大きく水をあけられている。
 
 しかし、フジのデジカメは高感度というのはこの業界ではよく言われていることであり、F30fdなど名機といわれる製品も多い。このF100fdはFINEPIX10周年記念モデルとのことで、社運を賭けて発売されたモデルだ。発売以来価格コムなどのランキングでも常に上位に食い込み評判も良い。最近のトレンドである広角寄りのレンズ、手振れ補正機能、顔認識機能などを実装したまま、なにより高感度で室内撮りにすこぶる強いらしい。デジカメばかりそう何台もあっても仕方がないのだが、FX01の不満点を解消してくれそうということで購入に踏み切った。
 
  
 
カテゴリー:デジカメ

地デジチューナー バッファロー DT-H50/PCI

2008年6月1日 コメントを残す
 PC用の地デジチューナーの単体発売が解禁され、ついに自作PCでも地デジ放送が見れるようになった。まあこれまでもフリーオなど裏技的なアイテムもないではなかったが、ここではそうしたグレーな話題には触れないでおこう。ともかく完全に適法で地デジが導入できるのだから、これはもう黙っているわけにはいかない。
 
 すでに複数のメーカーから製品が発売されているが、これらの中でもそれぞれ微妙にできること、できないことに違いがあるため購入にあたっては迷ってしまうが、今回はバッファローのDT-H50/PCIを選んだ。PC内臓型のタイプで、現在のところ唯一BDディスクにハイビジョンのままムーブができることが決め手となった。
 
 実は事前に製品レビューなど調べた際、意外と不具合報告も多かったのでひやひやしながらセットアップを行ったが、私の場合はセットアップ後特に問題もなく認識され、普通に地デジ放送を再生することができた。画質のほうはさすがデジタル放送、ハイビジョンなのだから当たり前だが以前のアナログチューナーの画質とは比較にならない高画質である。特にPCのディスプレイは解像度が高いので、PCでアナログ放送を見るとゴーストが目立ったりなかなかキレイに見ることが出来ないが、これならば普通にキレイに感じるし、録画もしてみようかという気にもなる。
 
 試しに30分のテレビ番組を最高画質”DP”設定で録画してみたところ、録画ファイルは3.05ギガ となった。ついでにこれをBD-REメディアにムーブしてみたが、PCでの再生はもちろん、PS3でも問題なく再生することができた。30分番組が約3ギガということは、25ギガのBD-REメディア1枚に約4時間分の番組をハイビジョンのまま記録しておけるということであり、これならばそれなりに実用的といえるだろう。1時間もののテレビドラマでもワンクールすべて録画してもBD3枚で済む。
 
 但し、今のところ録画した番組の編集はCMカットも含み一切できないのは残念なところだ。せっかくハイビジョンのままBDに記録ができるのだから、CMカットくらいはさせてもらいたい。あとハイビジョンのままムーブできるのはBD-REだけで、BD-Rは駄目というのも納得がいかない。BD-Rならばそれなりにコストも安く済みそうなのに、何とかならないものだろうか。
 
 ついでに言ってしまうと、試聴ソフトの「PCastTV for 地デジ」のインターフェースは非常に使いにくい。このソフト、コントローラー部が試聴画面の下部に常駐するタイプであるが、画面の大きさを大小変更するとそれに比例してコントローラー部まで変更されるので、画面を小さくしてしまうとコントローラーまで小さくなって、もうどのボタンが何だかわからなくなってしまう。コントローラー部を独立させるとか何か手はあったはずで、今のままではこれまで見た動画試聴ソフトの中でもダントツの使いにくさと言わざるを得ない。どうもこのソフトの開発はサイバーリンクが絡んでいるようで、どうしてサイバーリンクはまたこんなものをつくってしまったのかとついつい愚痴りたくもなってしまう。あともうひとつ、画質調整(色合いとかシャープネスとか)が全くできないのも残念だ。今後のバージョンアップで是非改善をお願いしたい。
 
 とはいえカタログ上でできると言われたことは一応クリアしており、PCの環境さえ整っていれば2万円程度で地デジを導入できるので、試してみて損はないであろう。私はハイビジョンレコーダーというものを持っていないので、ハイビジョン放送の録画がこれまでできなかったわけであり、BDレコーダー代わりとして考えればそう悪い選択ではなかったと思う。とりあえずハイビジョン番組をBDに記録しておけるだけでも充分価値はある。